ロシア軍がウクライナに侵攻し、戦争に抗議し平和を祈る動きが世界に広がっています。2018年現在、ウクライナではメノナイト・ブレザレンをはじめ、11のアナバプテスト系教会が500人弱の信徒を擁しています。メノナイト世界会議(MWC)のネルソン・クレイビル会長は、1月28日と2月25日に書簡を発表し、ウクライナおよび全世界のアナバプテスト系諸教会に祈りと連帯を呼びかけました。内容は以下のとおりです。
「世界の再洗礼派メノナイトのクリスチャンへ」
これはウクライナの平和を祈る呼びかけであり、外国からの軍事介入の威嚇に晒されながら生きている現地の再洗礼派クリスチャンの安否を祈る呼びかけです。かつてウクライナには大勢のドイツ語を話すメノナイトの信者がいました。ほとんどの人が19世紀と20世紀の政治的な激動の中で移民したり、強制的に退去させられたりしました。今日ウクライナにはなおいくつかのメノナイト教会の協議会があります。2014年以降、ウクライナ東部の交戦状態の時でも、メノナイト・ブレザレン教会の指導者が平和作りと救いの為の進む手がかりとなってます。この数週間、ロシア軍がウクライナ国境に接近し、今にも介入する恐れが高まっています。どうか、ウクライナ、ロシア、そしてこの紛争に関わる全ての諸国の平和の為にお祈り下さい!この困難な時に働くウクライナ教会の為に、お祈り下さい!(1月28日)
「ウクライナのメノナイト教会の姉妹兄弟たちへ」
世界中の再洗礼派メノナイト教会はウクライナの皆さんが戦闘の嵐の中で生きなければならないという状況に胸を痛めています。緊張と待機の今、私たちは皆さんを覚え、ウクライナの平和の為に祈ります。神に向かって叫び祈ります。平和を作り出す人々の為に、そしてウクライナ、ロシア、米国そしてヨーロッパの知恵あるリーダーシップがありますように。どうか、神が皆さんの身体と霊を強め、この困難な時に全ての身体的霊的な必要が与えられますように。使徒ペトロの言葉を引用します、「キリスト・イエスを通してあなたがたを永遠の栄光へ招いてくださった神ご自身が、しばらくの間苦しんだあなた方を完全な者として、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。力が世々限りなく神にありますように、アーメン。」(第一ペテロ5章10、11節)主よ、あなたの憐れみにより、私たちの祈りを聴いて下さい。平和の君、イエスの御名によって、アーメン(1月28日)
ウクライナの愛する姉妹兄弟たち、
今日、ついにあなた方の地に、戦争がやってきました。
この災厄によってもたらされる危険と死と破壊を、私たちは嘆き悲しみます。
信仰と希望をともに分かちあう者として、私たちはあなた方との連帯に立ち上がります。
私たちはあなた方を祈りに覚え、主なる神に委ねます。「主は、今、こう仰せになる、『恐れてはならない。わたしがお前を贖ったのだから。わたしはお前をお前の名をもって呼んだ。お前はわたしのもの。お前が水の中を通るとき、わたしはお前とともにいる。…火の中を歩いても、お前は焼かれず、炎がお前に向かって燃え上がることはない。』」(イザヤ43:1‐2)
姉妹兄弟たち、あなた方は今火の中にいます。私たちの心は痛みます。
世界のメノナイトに、キリストを主と告白するすべての人に呼びかけます。ともにウクライナの平和を祈りましょう。暴力を嘆き悲しみ、他国をしいたげようとするいかなる国のふるまいをも拒絶しましょう。ウクライナ、ロシア、そしてこの危機に対応する国々の指導者のために祈りましょう。
神の愛と命の尊さのゆえに、すべての戦闘員が血を流すのをやめ、ウクライナ、ヨーロッパ、ロシアのすべての人々の安寧を求めるよう願います。
あなた方が、他教派や自治体と連携して、食料、避難所、医薬品の必要が満たされるよう見守ります。
ウクライナ・メノナイト・ブレザレン連合のローマン・ラクーバ兄弟からの、霊的・財政的支援を求める声を私たちは聞いています。ウクライナにいる神の民のビジョンと勇気を称賛し、あなた方とあなた方の働きが保たれるよう支援の方法を探ります。
MWC の「共有の確信」が告白するとおり、「イエスの霊は、私たちが生活のあらゆる場面で神に信頼する力を与え、私たちが平和をつくる者となり、暴力を放棄し、敵を愛し、正義を追い求め、貧しい人々と持ちものを分かち合えるようにしてくださいます」。
「まことに、地を踏み鳴らした軍靴、血にまみれた軍服はことごとく焼かれ、火の餌食となる。まことに、ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた…その名は…平和の君と呼ばれる。」(イザヤ9:4-5)
生ける神、み国を来たらせたまえ。み心の天になるごとく、地にもなさせたまえ。
アーメン(2月25日)