新型コロナウイルスの感染拡大が低調となり、行動規制や自粛要請が解除されています。メノナイト世界会議(MWC)では、コロナ禍後の「次の日常」に向けて、教会指導者が以下のことがらに留意するよう呼びかけています。
(1)感染拡大が下火になっても、新型コロナ感染症が消滅したわけではありません。重症化リスクのある高齢者や持病のある人が、無症状の感染者と密集することを避けるため、教会の再開は慎重かつ段階的にしましょう。日曜の礼拝から再開する、教会学校や他のプログラムは行わない、会堂では十分な距離をとったレイアウトにする、などの工夫をしましょう。
(2)一度に大勢が集まらないよう、礼拝を数回に分けたり、時間を短くすることも検討しましょう。
(3)子ども向けプログラム(教会学校、バイブルキャンプなど)を中止・延期する、感染予防措置を行いつつ子どもや若者が参加できる新しいプログラムの形を考える、などの対応を行いましょう。
(4)献金における接触(現金のやり取り、献金袋の受け渡しなど)をできるだけ避けましょう。銀行振込や電子送金ができるようにする、対外献金は教会を通さず教会員が各自行うなど、工夫しましょう。
(5)聖礼典や儀式のもちかたを工夫しましょう。洗礼、塗油、洗足、聖餐などについて、接触や密集を避けて行うための措置を考えましょう。
(6)教会員の意識改革の必要性と可能性を見きわめましょう。教会を感染源としないためには、教会生活について従来の価値意識が相応しくない場合があります。握手など接触をともなう挨拶、少しくらい具合が悪くても礼拝を休まないなど、感染リスクを高める生活習慣がないか、ふり返りましょう。
(7)交わり(茶話や愛餐など)について検討しましょう。不特定の人と近距離で会話したり料理を取り分けたりすることは、感染リスクを高めます。全員にとっての最善を考え、交わりの時間を思い切って短縮ないし中止することも考えましょう。
(8)教会関係の会議や委員会は、感染予防のためにも、また多忙な役員の負担軽減のためにも、電話やビデオ会議で行うのが望ましいでしょう。移動の負担をなくすことで、役割を担ってくれる新たな奉仕者がおこされることだってあり得ます。
(9)日曜日以外の教会活動は、感染予防のためには望ましくないと思われます。家庭などでの対面にかわる集会の持ちかたを考えましょう。
(10)再開の前は、会堂や施設を清掃・消毒する絶好の機会です。清掃・消毒、定期的な換気は、再開後の習慣として継続しましょう。皆が使えるよう消毒用アルコールや使い捨てマスクを設置し、椅子の配置を改めましょう。
(11)オンラインでの礼拝が一気に普及しました。対面によらない礼拝の機会を今後も維持するには、予算を考慮しつつネット接続環境の整備にお金をかけることもよいでしょう。
(12)教会は「次の日常」に向けて事業計画を見直し、会計、緊急時の連絡、さらには保健衛生の指針を策定しなければなりません。教会活動のオンライン化に向けて、デジタル牧会を担当するスタッフや奉仕者をたてることも考慮しましょう。教会の置かれた状況やニーズにより、教会によって対応の仕方が大きく異なるであろうことも念頭におくことが大切です。
「次の日常」に向けて教会のあり方を検討し、祈り、計画を立てることが、再開した教会活動に参加する一人一人を大切にし、身体的、経済的、霊的に健全で豊かな共同体をたてあげることにつながるのです。